2024年6月に訪れたマレーシア。
今回はマレーシアのマラッカ、クアラルンプール、タイのホアヒン、パタヤを巡る旅となった。
マラッカとクアラルンプール間はバスの移動だったが、タイまでの移動でさすがにバスはキツい。
マレーシアからタイまでは飛行機で約2時間。
過去にタイ航空やマレーシア航空のお世話になって快適に移動することができた。
が、当然費用もそれなりにかかってしまう。
エアアジアなどのLCCなら預け荷物無しで7千円ほど。
ただ、スーツケースを預けると1万円ちかくな追加費用が発生する。
タイ航空やマレーシア航空だど1万5千円〜2万円ほど。
2時間の移動でも割高に感じてしまう、、そこで今回利用したのが鉄道での移動。
マレーシアの中心から目的地のホアヒンまで、時間はかかるが快適に移動できたので紹介する。
マレーシアの特急列車ETS
まずはマレーシアとタイの国境まで移動する。
クアラルンプールのターミナル駅=KLセントラルから出発する。
今回利用する列車はKTM(マレー鉄道)のETS=電化区間を走る列車。
タイの国鉄ではほとんどが非電化区間だが、マレーシアでは電化区間がかなり広がっている。
ビジネスクラスの「Ruby Lounge」
今回予約した列車はETSのビジネスクラス。
普通車だと価格は100RMほど。一方、ビジネスクラスは180RMと2倍ほどする。
わざわざビジネスクラスに乗らなくても、、と当初は考えたが、乗車時間の長さからビジネスクラスを選んだ。
それでも日本円で6千円ほどなので日本の鉄道と比較するとかなり安い。
おまけにビジネスクラスはいろいろなサービスが付いてくるので有難い。
まずは、空港ではお馴染みのラウンジサービスだ。
利用時間は出発前の40分のみ。
こちらがKLセントラルにある「Ruby Lounge」だ。
入口は空港のラウンジと比べてかなり安っぽい。
が、実際に中へ入ってみると印象がガラッと変わった。
空港のラウンジと遜色ないデザインと雰囲気。
ビジネスクラスの乗客のみが利用できるため一般の利用は不可。
フード系のサービスはないが、ホットドリンクが3種類提供されていた。
セルフサービスでホワイトコーヒー、ミロ、テタレ(マレーシアのミルクティ)といったラインナップ。
ホットミロを飲みながらラウンジから真下を見下ろすことができる。
普通車の乗客は下のフロアで出発を待つことになる。
ビジネスクラスの車内
出発の15分前になるとビジネスクラスの乗客が優先搭乗を開始。
このあたりも飛行機のサービスと同じで優越感を得ることができる。
ちなみに、今回の列車はプラチナのEP9274。
※種別が異なるゴールドは価格が少し安く停車駅も多い。
一方、プラチナは速達タイプでビジネスクラスの車両が含まれる。
列車は9時50分に出発して終点のパダンブサールには15時23分に到着する。
乗車時間は実に5時間33分だ。
通常のカラーリングとは異なるラッピング車両。
ほとんど真っ赤な車両にマレーシアの国旗がアクセントになっている。
こちらが今回乗車するビジネスクラスの車両。
座席は2+1の横3席仕様。日本の列車で例えるとJR特急のグリーン車みたいな感じ。
通路にはカーペットが敷かれて上品な空間が提供される。
車端部にはスーツケース等の荷物置き場が設置されている。
ただ、乗客全員分のスペースは無いため、直置きしている荷物も多かった。
もちろん、座席上の荷物棚も利用可能。
天井には2箇所に液晶ディスプレイが設置。
主に観光地の映像や広告などが映し出されていた。
デッキとの境にある扉の上にはトイレの状態、気温や速度が表示。
さらに別モニターでは出発から目的地までの停車駅と、走行中の位置が分かるようになっている。
こちらでも速度が表示され、他に時刻と次の停車駅案内も。
基本的にマレーシアの言語と英語で到着駅のアナウンスがあるので心配はないだろう。
座席設備
続いて気になる座席設備を見てみよう。
筆者は予約時点で2席しか残っていなかった1人席を予約。
座席番号は4A。
パダンブサールを進行方向にして最後尾のA号車がビジネスクラス。
車両最後尾の座席は1A〜C(1人席と2人席)となる。
4Aは半分窓、半分壁といった位置にあたる。
前方の眺めをガッツリ楽しむなら一つ後の3Aが良さそう。
4Aは前が少しと真横、後方に流れる景色を眺めることができた。
各座席には電源コンセントとUSBポートが装備。
電圧は240Vなのでご注意を。
iPhoneの純正アダプタは240Vも対応しているのでそのまま使用可能だ。
シートピッチは新幹線と同じくらい。
足を伸ばしても窮屈に感じないレベルで快適そのもの。
レッグレストは無かったがフットレストは装備されていた。
座席をリクライニングしてフットレストを使えば睡眠も楽になるはず。
睡眠に欠かせない枕はヘッドレストで代用。
上下に高さ調整可能。
驚いたのは肘掛けに収納されていたパーソナルモニター。
タッチパネル式でインターネットや機内販売の食事やドリンクをオーダーできるみたい。
反対側の肘掛けにはテーブルが収納されていた。
こちらが機内で販売されている食事やドリンクメニュー。
ナシレマは11RMで370円ほど。コーヒーやソフトドリンクは100円ほど。
機内販売にしてはかなりリーズナブルだと思う。
これくらいなら気軽に注文しても良さそう。
軽食とランチサービス
出発して30分ほどで機内サービスが提供される。
もちろんビジネスクラスだけのサービス。
内容はホットコーヒーか紅茶。
ブルーベリーのマフィン、パックジュース、ピーナッツ、、
あと、イヤホン。旧型のiPhoneに付属していたイヤホンみたい。
なんならケースのデザインまで同じ。
一応、ビジネスクラスの文字が入ってるけと見た目はそっくり。
ただ、これをどのように使うかよく分からなかった。
パーソナルモニターに接続して使用するのか??
さらに、出発から3時間ほどするとランチが提供される。
ちょうど途中駅のイポーを出発してすぐのタイミング。
内容はお弁当スタイルで野菜とチキンのカレー。
野菜は甘い味付け、チキンは少し辛くてご飯がススム。
ペットボトルの飲料水も一緒に渡される。
見た目はイマイチだがカレーはスパイスが効いてまずまずの美味しさ。
普通車
さすがに5時間30分座りっぱなしはキツいので、少しだけ他の車両を散策。
こちらは隣にある普通車のB車両。
列車は全席指定なので基本的に全員が着席している状態。
ビジネスクラスと違って2+2の横4席仕様。
普通車の床もカーペットが敷かれて安っぽくない雰囲気。
ただ、乗車人数が多いので荷物置き場に課題が見られた。
その課題がこちら。
置き場所を失ったスーツケースなどの荷物はデッキに散乱していた。
これは酷い。。途中から乗ってくる乗客からするとたまったもんではない。
荷物の置き場所を拡張するか、デッキに専用スペースを設けるか対策が必要だ。
ちなみに、ビジネスクラスは座席数が少なく、置き場所にも余裕があるので問題なし。
トイレ
当然トイレも設置されている。
男女兼用で様式タイプ。ハンドシャワーも装備。
実際に利用した感想は特に衛生面の心配はなし。
窓を開けることが可能なので換気されて匂いも大丈夫。
手洗い用のシンクも装備されている。
正直なところ、タイの列車よりは清潔だと感じた。
車両自体がまだ新しいので当然のことではあるが、、
車内の売店
B車両の隣にあるC車両の車端部には売店が設置されていた。
サンドイッチやスナック、ドリンクの購入が可能。
売店の前には椅子とテーブルが少し。
お弁当はレンジで温めて提供されるスタイル。
本格的な料理ではないが、リーズナブルな価格で購入することができる。
車窓
KLセントラルから終点のパダンブサールまでは、東南アジアらしい景色がずっと流れている。
途中の停車駅も全て自然の中にある地方都市といった感じ。
ローカル感満載でマレーシアであることを景色から味わうことができる。
終着駅「Padang Besar」
途中、激しい雨に見舞われたが、終点のパダンブサール駅到着時は快晴。
予定より7分ほど遅れて15時30分に到着。
乗車時間は5時間40分だった。
初めてマレーシアの特急列車を利用してみたが、文句なしの快適さ。
乗車した列車の最高速度は144kmをマークしたが揺れは少なく乗り心地も上々。
同じ東南アジアを走るタイの列車とはレベルの差を実感。
できれば、この車両でホアヒンまで行ってほしいくらい。
まとめ
※動画でも公開しています。
今回の旅で期待をしていたマレーシアの特急列車。
5時間以上の乗車で疲れがでないか少し不安もあったが、
ビジネスクラスだけあって車内も座席もサービスも期待を上回る内容だった。
飛行機と比べると当然時間はかかってしまうが、流れる景色をボーッと観ながら移動するのも悪くない。
いや、むしろ時間をかけて移動するからこそ旅らしくなるというもの。
時にはサクッと飛行機で移動するのもいいが、マレーシアの鉄道はかなり快適だ。
今回のビジネスクラスは1ヶ月以上に前に予約したが、その時点で1人席は2席のみ。
2人掛けの座席も3組ほどしか空席がなかった。
これは普通車の座席も同じで、1ヶ月前には満席になっていることもある。
それほどマレーシアのETS特急列車は人気があるということだ。
数日前になると早朝や遅い時間しかチケットがとれない可能性もある。
今後、利用を考えている方はなるべく早い時点で予約するのをオススメする。
次回はパダンブサール駅からタイのホアヒンへ移動する。
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